Xcode 10のUI変更
2018年の9月、Xcode 10がリリースされました。様々なアップデートがある中でUIも変わったところがあり、戸惑う方も多くいると思います。 この記事ではXcode 10が以前のバージョンを変わったところを解説します。
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2018年の9月、Xcode 10がリリースされました。様々なアップデートがある中でUIも変わったところがあり、戸惑う方も多くいると思います。
この記事ではXcode 10が以前のバージョンを変わったところを解説します。
Xcode 9までStoryboard
やXib
選択中に表示されていたライブラリーペインが廃止されました。
ライブラリーペインにあったオブジェクトライブラリーやメディアライブラリーはワークスペースツールバーに移動されました。
また以前のバージョンでは「Stack Button」として表示されていた選択中のViewをStack View
下に内包する機能がありました。それが、Stack View
だけではなく、UIView
やUIScrollView
も内包できるようになります。
コードスニペットもまたワークスペースツールバーに移動されました。
これらのUI変更を解説していきます。
また最後に、私が関わったXcode 10のアップデート内容をまとめたiOS 12Programingを宣伝させてください。
目次
- オブジェクトライブラリー/メディアライブラリー
- Embed in ボタン
- コードスニペット
- 宣伝
オブジェクトライブラリー/メディアライブラリー
Xcode 9まではStoryboardファイルやXibファイルを開いているときに、右ペインのユーティリティ領域にてオブジェクトライブラリーやメディアライブラリーが選択可能でした。
Xcode 10ではこのユーティリティ領域が廃止され、オブジェクトライブラリーやメディアライブラリーのアクセスはワークスペースツールバーのエディター設定ボタン左側に移動しました。
まずオブジェクトライブラリーについて解説します。
クリックするとオブジェクトライブラリーのウィンドウが表示されます。
選択したいオブジェクトをクリックし、ViewControllerの上にドラッグすれば配置されます。
配置するとウィンドウは非表示になります。ドラッグ後も引き続きライブラリーウィンドウを表示し続けたい場合は、optionキーを押しながらクリックするか、オブジェクトをドラッグ中にoptionキーを押します。
そうするとウィンドウが固定されます。
オブジェクトライブラリーのショートカットはcommand + shift + Lです。
続いてメデイアライブラリーの解説です。
オブジェクトライブラリーのボタンを長押しするとリストが表示され、メデイアライブラリーが選択できるようになります。
操作はオブジェクトライブラリーと同じです。選択したメディアをドラッグして配置、ウィンドウを固定したい場合はoptionキーを押しながらメディア・ライブラリーを選択するか、ドラッグ中にoptionキーを押します。
メデイアライブラリーのショートカットはcommand + shift + Mです。
Embed in ボタン
Xcode 9までは「Stack」ボタンだったものが「Embed in」ボタンとして新しくなりました。
以前だと選択したViewをUIStackView
に内包するものでしたが、バージョンアップでUIView
(マージンのありなし選択可能)、UIScrollView
も選択できるようになりました。
またViewController
のEmbedもNavigation Controller
とTab Bar Controller
を選択できるようになりました。
それぞれ選択するとどうなるかを解説します。
今回はサンプルとして以下のように真四角なUIView
を4つ並べたレイアウトをしました。
View
真四角のUIView
を選択しながらEmbed inボタンのViewをクリックします。
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すると4つのViewを内包した新たなViewが作成されました。
Viewの階層は上記図をご確認ください。
View Without Inset
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View Without Insetを選択するとその名の通り、マージンなしでUIView
が選択したViewを内包します。
Scroll View
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Scroll Viewを選択すると選択したViewをUIScrollView
に内包してくれます。
Stack View
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Stack Viewを選択すると選択したViewをUIStackView
に内包してくれます。
View Controllerの内包
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Navigation ControllerとTab Bar Controllerを選択するとそれぞれのView Controllerに選択したView Controllerが内包されます。
コードスニペット
ソースエディターを表示している場合に、オブジェクトライブラリーと同じくワークスペース ツールバーのエディター設定ボタンの左隣に表示されます。
ショートカットはcommand + shift + Lです。
注意が必要なのはコードスニペットのウィンドウからは新規にコードスニペットが作成できないことです。
コードスニペットを新規作成する場合はメニューのEditor > Create Code Snippetから行います。
Xcode 10で user snippetsってどこにいっちゃったの……? pic.twitter.com/DiVgsC5VVI
— Kaoru (@TachibanaKaoru) December 6, 2018
宣伝
Xcode 10のUI変更を解説しました。オブジェクトライブラリー/メディアライブラリー、Embed inボタン、コードスニペットと、前のバージョンと大きく変わって戸惑う方も多いと思います。
この記事が参考になれば幸いです。
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さらにSignposts
の機能でInstruments
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今回解説したUI変更も含め、より深くXcode 10がわかる本となっています。
私が執筆した章の項目はこちら
・UI の変更点
・エディター機能のアップデート
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